メンタルケアのこころみどころ双月のブログです。カラーセラピー、傾聴療法、カウンセリングのことや、セラピストが心について感じたこと、思ったことを綴っています。

子育てのこと 3 働くことの是非
社会で働く女性が一般的になりました。そのことに誰も違和感は感じないと思います。
しかしながら、子育て中となると、仕事をやめたり勤務時間を減らしたりする傾向にあります。
独身時代から結婚、出産と進むにつれ、同じ職場で継続勤務することが難しくなるのは、今も昭和時代と変わらないような気さえします。
学校卒業と同時に正規雇用となった会社でキャリアを積みながら結婚し、子育てし、親の介護までしながら定年までとは想像し辛いですね。

女性と仕事。
世界の先進国と言われる国々の中で就職率、雇用形態、給与などの面で比較していくと、日本は明らかに遅れている方に属するというデータが出ているそうです。
子育て中の女性が社会で働くと母親の勤めがおろそかになるという暗黙の思い込みがあり、女性は家事優先の立場、結婚して従属する立場というイメージが根強く、男性と同等に働けない(男性のほうが役立つ)と暗黙に括られて扱われ、女性の給与が男性に比べて平均するとかなり低く抑えられている日本社会です。

私も土日休みの少ない仕事をしていて、それを夫に責められて辛い子育て時期を過ごしましたが、実際は、母親が仕事をしているからといって子育てに悪影響はありません。
仕事をしていると子どもと接する時間が短いのは事実です。仕事をしていると家事との掛け持ちが大変で時間の余裕がなくなりますが、それで仕事時間と家事多忙中にべったりできないことが子どもに悪影響とは言いきれません。

子育てのこと1で書いたように、子どもは自分の周りのどんなことも経験し、自分で取捨選択して成長します。
母親が本当に手が離せないとわかれば、乳児でさえ甘え泣きを待ってくれるものです。
子どもの気持ちをきちんと受け止めて愛情を伝え、現実の状況を伝えれば、その子にとって緊急時でなければ待ってくれると思います。
私は出産後、子どもが1歳でぐらいで保育園に預けて非正規雇用のフルタイムで働いていましたが、働く前の専業主婦の時も、仕事を始めた後も変わらず、甘えたいアピールをした後、今は手が離せない状況だな、気持ちがイライラしているなと気が付くと、待ったり、我慢したりして譲ってくれたものです。
接する時間が少なくても、子どもがその時は寂しいと思っても、日々の生活や成長の過程で、親の愛情が離れていないと感じられれば子どもは大丈夫です。

忙しくて一緒にいる時間が短くても、気持ちに寄り添い、気持ちを伝えることができれば、働きながらの子育てで子どもに悪影響は無く、寧ろ一緒に長時間ベタベタするよりも良い影響が出ると思っています。あるベテランの保育士もそういう事例をたくさん見てきたと語っていました。
長時間べったりと一緒に過ごすことがマイナスとは言えませんが、その状況に起こりやすい「無意識の過干渉」が、一番子供に悪い影響が出て、怖いことです。

人間は年齢性別関係なく、誰だって一人の自由な時間が欲しいものです。自分の考えで好きに過ごす時間が必要ですから、同じ家で過ごしていてもそれぞれ自分のことに安心して集中できるプライベートタイムが必要です。
新型コロナウイルスで家族がずっと顔を付き合わせていたら、喧嘩するようになったというのはその典型的な例ですね。
どんなに仲良し家族であっても、ある程度の時間は離れて一人でリラックスして好きに過ごせなければ、家族と一緒にいること自体がストレスに変貌する危険があるのです。

親も子も、妻も夫も、「母親だから」と日本社会が暗黙の了解のように課す「役割」に縛られて、思い詰めないでいたいものです。
母親である前に一人の人間、子どもである前に一人の人間です。
人間と人間は対等です。
譲り合う時、助け合う時、喧嘩する時、甘え合う時、一緒に居る時、別行動する時……。
いろいろあってこそ、親子に限らず人間は誰でも経験値が上がり、よりよく成長できるもの。どんな経験も成長の糧ということを忘れずに、大らかな気持ちで子育てをしたいものですね。

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